ホメオパシーとは

ホメオパシーは「同種療法」とも呼ばれており、「症状を引き起こすものが、その症状を癒す」と考えます。症状が出ているときに、その症状を引き起こす物質をとって、症状を回復させるという考え方です。 ホメオパシー療法は、自己治癒力を喚起させます。ホメオパシーでは、ある作用を持つ物質の成分を徹底的に希釈した砂糖玉「レメディー」を利用します。ホメオパシー療法で人や動物の心とからだの健康を取り戻せるようお手伝いをする人をホメオパス(ホメオパシー療法家)と言います。

ホメオパシーは、心や体のさまざまな不調や病気に対し、著しい有効性を示したので、わずか200年あまりの間に世界各国へ急速に広がりました。国際的には、漢方に次いでポピュラーな医療、治療法に発展しています。

ホメオパシーの「同種療法」とは

ホメオパシーという言葉は、ハーネマンが古代ギリシャ語の単語、homoeo(=同じようなもの)と、pathos(=苦しみ・病気)を組み合わせてつくった造語です。
ホメオパシーは「同種療法」と訳されます。その考えは古代ギリシャ時代までさかのぼり、医学の始祖・ヒポクラテスも「同じようなものが、同じようなものを治す」といっています。
ハーネマンは、キナという樹木の皮がマラリアの特効薬となっていましたが、健康な人がキナ皮をとるとマラリアとそっくりの症状(周期的な熱など)が生じたことにヒントを得て、同種の法則を再発見しました。

「心身に症状を引き起こすことができるものは、同じような心身の症状を取り去るものとなる」。これが同種の法則です。

「心身に症状を引き起こすことができるものは、同じような心身の症状を取り去るものとなる」。これが同種の法則です。
日本では昔から、かぜをひいて喉が痛いときにショウガ湯を飲みます。ショウガ湯を飲むと喉がひりひりと熱くなります。この「ひりひり」とした「熱さ」が、喉の「熱っぽく」「ひりひり」した症状を取り去ってくれる。これが、同種の法則です。

発熱時にさらに熱が上がるように布団をかけたり、卵酒を飲むのも同じです。ドイツでは熱い風呂に入ったりします。症状が長引くのは、自然治癒力がうまく働いていないからだと考えます。熱なら熱の症状を増幅させることで、体が病気の状態であることを正しく認識し、自然治癒力のスイッチが入ることで、症状がスムーズに沈静化する作用があるとの理解です。ねぎを喉に巻いたり、やけどのひりひりにムカデを漬けた酒を塗ったりするなど、「同種療法」そのものは、古来から経験的に知られ、利用されていたのです。

ホメオパシーでは、どのような過程を経て症状が改善していくのでしょうか。

ホメオパシーの治癒の考え方を見ていきましょう。動画「Zenホメオパシー 自己治癒力を触発するホメオパシー」をご視聴ください。

ホメオパシーはいかにして始まったか

ドイツ人医師サミュエル・ハーネマンは、毒性の強いものでも毒性を完全になくし、治癒効果だけを残す希釈振盪法(きしゃくしんとうほう)を発見し、安全で効果的なホメオパシー療法を1796年に確立しました。ホメオパシーは、心や体のさまざまな不調や病気に対し、著しい有効性を示したので、わずか200年あまりの間に、世界各国へ急速に広がり、国際的には、漢方に次いでポピュラーな療法に発展しています。

詳しくは「日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)公式サイト|ホメオパシーの歴史」をお読みください。

世界のホメオパシーの現状

ホメオパシーについて、日本だけでなく、世界でどの程度使用されているのか?、またほんとうにホメオパシーは効果があるのか?など、ホメオパシーをよく理解していただくために世界のホメオパシーの現状及びホメオパシーのエビデンスを以下に紹介します。

ホメオパシーは、今から200年前にドイツの医師ハーネマンがその生涯をかけて確立させた自己治癒力を使う同種療法であり、自然療法です。同種療法の起源は古代ギリシャのヒポクラテスまでさかのぼることができ、「症状を起こすものは、その症状を取り去るものになる」という「同種の法則」が根本原則になっています。

以後、世界各地に広まり、 英国では王室の健康法としても親しまれており、英国国会で「最も安全な療法」と認められたほか、インドでは、19世紀初めには英国植民地下で英国からホメオパシーが入り、インドが独立後、1952年に国家が国の医学としてホメオパシーを認め、今でも70%の人口がホメオパシーを使っており、ホメオパシーが最も盛んな国の1つです。インドの他にも、ドイツ、南アフリカ、マレーシアなど、国家がホメオパシーを認めていたり、4-6年制の大学教育課程があり、ホメオパシー医学の専門家育成に力を入れている国も多くあります。

ホメオパシーが特に盛んに行われている国・地域は、EU諸国(英、独、仏、伊、ベネルクス3国、北欧他)、スイス、インド周辺諸国(インド、パキスタン、バングラディッシュ、スリランカ)、中近東(イラン、イスラエル)、中央アジア、ロシア、中南米諸国(ブラジル、キューバ他)、マレーシア、南アフリカ、オーストラリア、ニュージランドなど、米国、カナダなどにもホメオパシーの協会があり、世界で推定15~20億人が親しんでいる最もポピュラーな健康法の1つでもあります。

CHhomが運営するウェブページ「ワールドワイド・ホメオパシー」に、世界的にはよく知られていても、日本ではなぜかなかなか知ることのできない世界のホメオパシーを事情を集めました。自分の心身のケアに合う療法を選択するための検討材料になれば幸いです。

YouTube「CHhomチャンネル」再生リスト「ワールドワイド・ホメオパシー」には動画を公開しておりますのでご視聴ください。

ワールドワイド・ホメオパシー  | カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー(CHhom)

日本でのホメオパシー

日本では、英国でホメオパス(ホメオパシー療法家)の資格を取得し、クリニックを開業し活動していたCHhom創設者由井寅子によって、1996年から本格的に導入、一般人へのホメオパシーによるセルフケアの普及とプロのホメオパス養成に力を注ぎ、その両面から急速に普及し、現在に至っています。

由井寅子氏は、ホメオパスとしての25年以上の経験に加え、ハーネマンの原典に基づく研究活動により、複雑化した現代人の難病を治癒に導くためのZENホメオパシー(体・心・魂を三位一体で治療する方法)を確立しました。ZENホメオパシーは、最先端のホメオパシーと言えます。

現代医学とホメオパシー

CHhomのプロフェッショナルホメオパス養成コースでは現代医学の基礎をしっかり学びます。解剖生理(人体の成り立ちと生理的動態)や臨床病理(人体のメカニズムや症状)、救急医学(緊急性のある症状)を学び、人体の構造、病気の進行を理解します。特にこのような現代医学の基礎を理解することは国の枠組みの中で責任を持った行動をとるためには必要不可欠となります。

ホメオパシーは自己治癒力を触発し、自分の力で治癒していけるように導く療法です。ホメオパシーでは、個々の状況、環境によって、必ずしも自己治癒力が触発されるとは限りません。 個々の状況や環境、これまでのさまざまな抑圧により自己治癒力の触発が容易でない場合もあります。その方の生きて生きた環境、経過については、良く理解をしておくことが大切になります。

CHhom由井学長は「ホメオパシー医学と現代医学はそれぞれの長所を生かし合い、連携して取り組むことが、特に重要であること」を言及されており、現代医学と連携して対処することが必要な場合には、躊躇なく現代医学の専門家や専門機関と連携した取り組みを行うことが重要であると教えています。 

現代医学の診断、検査技術、緊急手術、救命技術との連携は特に重要であり、緊急時や一時的な症状緩和のために薬の使用が必要な場合もあり、現代医学と連携して対処することが必要な場合には、躊躇なく現代医学の専門家や専門機関と連携した取り組みを行うことも重要です。

最近は、ホメオパシーに理解を示してくれる医師や医療機関が増えてきており、JPHMAとも協力関係のあるクリニックや医療機関が増えてきています。しかしその数は日本ホメオパシーセンターの数に比べまだまだ少ないのが現状です。