2010年12月18日(土)

 

「オルガノン購読①」
講師:由井学長

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オーガノン講読 第四回目の講義。

今回の講義も、オーガノンの格言と学長相談会の症例集を対応しての解説が行われました。

講義前半は格言38「治癒の方向性 Returning of Old Symptoms」に重点が置かれました。患者さんが治癒に向かう行程で、過去に抑圧した症状、かかりきれなかった病気が再び現れ、それを出し切る事によって、今現在の主訴が治って行く様子が見られた症例が上映されました。

後半は、格言40からの「複雑化した場合の病気の対処」について。
一人の人間の体に複数の病気が内在するため、複数のレメディー投与の必要性をハーネマンが述べている事や、医原病についてなど、ハーネマンの思いが込められた重要な箇所が取り上げられました。

その中で、人が持つ「自分が正しい」という信念に対して、自分の正義を振りかざさず、解決するためにどうすれば良いかという、心の在り方についての学長からのお話は印象的でした。

不条理と思われる出来事も、全ては同種の法則で導かれ、自分の元にやってくるものであること。雪の中に咲くスノウドロップのように、忍耐を持って受け入れること。今後もホメオパシーを学んでいく学生たちにとって、一つの指針となったのではないかと思います。

今日はその他にも、小児病におけるノゾーズ対処や、マヤズムと胎生学の関係などにも踏み込み、オーガノンの広大な世界を一歩一歩踏みしめて行く講義となりました。